包丁の切れ味を回復させるためには様々な研ぎ方があります。ここでは代表的な研ぎ方と、そのメリット・デメリットについて解説していきます。
【1. 砥石で研ぐ】
包丁を研ぎ直す一般的な方法として、まず「砥石」が思い浮かびます。
砥石には目の粗いものから細かいものまで様々な種類があり、包丁の傷みや欠けの程度に応じて選びます。包丁の刃を水で湿らせた砥石に角度をつけて前後に押し付けるように研いでいくのが基本的な研ぎ方です。
熟練者ならば比較的素早く研げますが、初心者には技術習得に時間がかかります。しかし一度技術を習得してしまえば好きな角度で研ぐことができ、様々な種類の和洋包丁に対応できるという最大のメリットがあります。研ぎ始めるまでの準備に手間がかかるというのが少しデメリットでもあります。
【2. シャープナーで研ぐ】
「簡易シャープナー」はホームセンターなどでも手に入りやすく、なによりも手軽で簡単に使えるというメリットがあります。
使い方は簡単で、包丁をシャープナーの切れ込みに合わせて引くだけで研ぐことができます。
包丁が切れなくなったときにサッと研ぐことができるので、忙しくて包丁を研ぐのが面倒な方向け。
片刃用と両刃用がありますが、砥石に比べると刃の角度が一定に決まっているので融通が利かない部分もあります。
ざっくり言うと、どうしても包丁が切れない時の「応急処置」です。
【3. スチール棒で研ぐ】
「スチール棒」は、洋食屋さんや精肉店などでよく使われる洋包丁用の研ぎ道具です。
上手い人が使うと刃も傷みません。何よりも研いでいる姿がかっこいいので砥石専門でやってきた私にとっては少し憧れます。
本来は鋼材の柔らかいものが多かった海外の包丁向けだったのですが、現在は鋼材の硬い包丁でも対応したスチール棒もあります。洋包丁のような両刃専用の研ぎツールです。砥石と比べると手軽に使えるため家庭用で使っている方も多いです。ですが研ぐ角度を変えられるメリットがあるぶんシャープナーよりは難易度があがります。
スチール棒は包丁の刃を整えるためにも使われます。包丁の刃がめくれてしまった時や、肉の脂で刃が滑ってしまう時はスチール棒を使用して修正することができます。
【4. 電動研ぎ器】
技術の進化が生んだ近代兵器。
電動研ぎ器は、手軽さと研ぐ速さがメリットです。時短で研ぐ手間が省けるため、手軽に研ぎたい場合には最適ですが、スピードの代償としてと刃がみるみる削れていくので注意が必要です。また、安価な製品は切れ味がよくならなかったり、刃がダメになることもあるため選ぶ際には特に注意が必要です。
【5.まとめ 】
以上、包丁を研ぐ方法についての代表的なものをご紹介しました。最適な研ぎ方はその人の技術や好みによって異なりますが、理想の切れ味を求めていくと砥石を使用することが最適であると私は考えます。包丁を長持ちさせるためにも、適切な研ぎ方を選択することが重要です。